リスバカ日誌2

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エゾリス、ナキウサギ、野鳥などの写真で綴る移住者の日記

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餌付け写真はやめてください

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    在庫写真から。秋のエゾリスは落ち葉の頃がいい

最近、悲しいことがありました。
GANREFという写真交流サイトに私は登録しているのですが、主な撮影機材など
を登録しておくと、同じ機材を使って撮影した人の撮影日記などが更新情報として
通知されるようになっています。

そこで、最近エゾリスの写真の撮影日記が多くなったので、何だろうなと思って
覗いてみると、そこは餌付け写真を自慢している日記でした・・・

餌付けの是非については、賛否色々あると思いますが、私は反対派です。
「野生動物と餌付けを通じて仲良くなる必要はない」と思っています。





ちなみに、その人のプロフィール欄には、作品作りへの思いが書いてありました。

> ひがし北海道を舞台に自然の美しさと感動を伝える映像を常に追い求
> めています。撮影を通して思うこと・・・人間の元気の源は「感動」です。
> 感動が人から人へ伝わり、そして人の輪が広がり世界へ伝わります。
(こちらで見やすいよう任意位置で改行しました)


すばらしい思いなのですが、撮影日記に書いてあったことは、

> いつも通りにエゾリスの森へやってくるとエゾリスの方から出迎えてく
> れました。腹が減って待ち遠しいのでしょうか? あっ今日はイイ事が
> ありましたよ~♪ 昨日も手に乗せたヒマワリの種を食べてくれたところ
> までは同じで​すが、なんと!私の手のひらの上に乗っかりました!
> びっビックリです(^-^; さらに肩の方まで登ってきました。もうお友達
(こちらで見やすいよう任意位置で改行しました)
※著作権のため無断転載禁止とありますが、私の範囲の転載は問題ないと思いますがいかがなものでしょう・・・

・・・言葉がありません。
しかも、撮影日記を通じて「エゾリスを撮りたい」と申し出てきた人を数人連れて撮影会まで・・・


もう10年近くエゾリスを見ていますが、撮影に餌付けなんて全く必要ありません。
もちろん、餌付けしなければ自分の思うような場所や位置に来てくれませんが、「撮らせてもら
ってる」のですから全然気にしていません。

私はこの問題を8年前にブログで取り上げました。
http://koppel055.sapolog.com/e355341.html

残念ながら、この問題は良くなるどころか悪化の一途をたどっている気がします。
デジカメで誰もが気軽に撮れるようになったので、餌付け撮影を安易に行う人が増えているのでは?

プロカメラマンですら、餌付け写真をする人が少なくありません。
知人から聞いた話では、あるプロカメラマン団体が主催するエゾリスの撮影会で、松の木の枝に
ヒマワリの種を置いてエゾリスをおびき寄せて写真を撮っていたとか。
エゾリスの大好きな松ぼっくりがある松の木にわざわざヒマワリの種を置いてなんて!


餌付け写真の弊害は、私が考えられる範囲ではこんなことです。
1.動物の本来の姿ではない写真を撮っていることになる
2.餌付けの際にばらまいたエサが別の動物を誘引したりゴミと化す
3.餌付けして人慣れすることでその動物が警戒心を持たなくなる


「1」はわかりづらいかもしれませんが、エサをもらって警戒心が解かれた動物を撮っても、その
野性味や本来の生活の様子は撮れません。ただ「かわいい」だけの姿です。エゾリスの場合、
ヒマワリの種などは野生ではあり得ない食物なので、撮影する価値もありません。観光牧場の
シマリスじゃないのですから、こういう餌付けはやめてもらいたいものです。

そもそも、エゾリスは樹上生活が主です。地上は埋めた食物を掘り起こしたりするときに降りて
きますが、危険がいっぱいあるのでそんなに地上には来ないのです。

「2」は、ヒマワリの種のように周囲に全く存在しないものをばらまくこと自体が問題です。それが
発芽して・・・ということもありますが、一番の問題はほかの鳥などを呼び寄せてしまうこと。実際、
札幌市内の某公園でも大量のカラスがヒマワリの種に群がってる姿を目撃しました。カラスは
賢い動物です。人間のバカな行動を全部観察しているのです。その公園では、エゾリスはヒマ
ワリの回りにはあまり寄らず、ほとんどカラスが独占していました。

「3」は、札幌市内のエゾリスでもよくあります。人を見ると寄ってくる。私はそういうエゾリスは
撮影の対象外なので残念ながら札幌市内でエゾリスを撮影することはほとんどありません。
警戒心を持たなくなることでどういう弊害があるかというと、道路とかにチョロチョロ飛び出して
きたりして車に轢かれることがあります。

エゾリスは警戒心の強い動物なので、下手な近づき方をすると「警戒音」という独特の音を出
して威嚇します。しかし、威嚇する理由はあるのです。以前経験したのは、私がエゾリスが木
から下りて通ろうとしていた地上のルートをふさいでいたために威嚇されたことです。その場所を
立ち退いて、20mぐらい下がって観察していたら、エゾリスは木から下りて私がいた場所を
通って埋めた食物を掘り返し、また別の木に登っていきました。

私がエゾリスを撮影するときは常にこうした緊張感のあるシチュエーションで撮っています。
何度も撮影する中で、どういう時なら威嚇されずに近づけるのかということがわかってきました。
ジッとしていると、食物探しに夢中になっているエゾリスが私の股間を走り抜けていったことも
ありますし、エサも何も与えないのに、靴に登りかけたこともあります。でも、そういうときは
カメラを構えずにそっとしています。少しでも体を動かせばビックリして逃げていくからです。


生き生きしたエゾリスの表情を撮りたければ、樹上にいる彼らを撮るのが一番です。

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     今年5月、某所でのエゾリス。20mぐらいの距離だけど、食事に夢中でいくらでも撮らせてくれた

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     今年5月、某所でのエゾリス。新芽を食べている姿が生き生きしている

夏になれば、当然葉っぱが繁ってきて樹上のエゾリスは撮りにくくなります。
私も7月、8月はあまり撮った記憶がありません。それでも都市公園では撮ることはできます。十勝
では何度か撮ったことがあります。すぐに樹上高いところに消えてしまうので何十分も撮ることは
難しいのですが。


なんか、いい方法はないものでしょうか?
エゾリスだけの問題ではありません。
ナキウサギを餌付けしようとする人を見たことがありますし、シマフクロウを餌付けしてアマチュア
カメラマンを呼び寄せる民宿まであります。

また、夜行性のエゾモモンガにストロボを光らせて撮るのも餌付けとは違いますが気になります。


どこからどこまでがダメなのか、線引きが難しいのも事実ですが、正直撮影に行くたびにこの問題
とはぶつかります。どこに行っても餌付けする人がいるものです。

以前、あるプロカメラマンがエゾリスの撮影ポイントをとあるホームページで紹介していましたが、
「餌付けはヒマワリの種ではなく、そこにあるものでしましょう」と餌付けを肯定しているかのような
表現があったので抗議したら、「ほんとの野生のエゾリスを撮りたければ山に行ってください」と
いうメールが返ってきてビックリしたことがあります。

どうやら、都市公園では餌付けはしてもいいというのが日本の暗黙のルールなのでしょうか。
私には理解ができません。なぜ、静かに見守ることができないのでしょうか。


最後はオマケ。
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     在庫写真から。某所でのエゾリスの子ども。子リスは警戒心が薄いのか、不用意に人間に近づくことがある。まあ、母リスが見張っていて注意するけど
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Commented by なおなお at 2012-07-25 10:55 x
全くそう思います。
私とkoppelさんの考え方は同じだと思いました。
この餌づけを行なって堂々とそれを載せている方(本名で登録されている方ですよね)も、こちらの神社でヒマワリの種の入った袋をシャカシャカさせて撮っている不『自然写真家』も、『写真家たちの日本紀行』でエゾリスに餌づけをしていることを「出演料」だと公の電波で言う獣医で、プロ写真家にも、いつも憤りを感じてます。
いつもエサを持ってこちらを向いている写真や、バックに本来ならばそこに無い鉢植えの花が咲いている写真を見ても、私は何にも感じません。
でも、知らない人には 「こんなに素晴らしい写真が!!!」って思うんでしょうね~。それも商売なのかな~。
私はそこに無いヒマワリの種やリンゴを見つけたら回収するようにしています。こんな輩は居なくならないと思うので見つけたら言いますけれど、私は絶対にそんなことはしない!したいとも思わない!といつも強く思います。

やっぱり写真に人柄って現れると思います。私はいつも尊敬する大好きな写真家さんを見ています。やらせは全くないです。
そういう人の写真はやっぱり素晴らしいです。一般受けしなくても。
Commented at 2012-07-25 20:09 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Noshira at 2012-07-28 10:34 x
エゾリスの撮影について調べていたところ、こちらのブログにたどりつきました。
私も餌付けには反対です。
野生本来の能力を劣化させることは、確実に絶滅に向かうということでしょう。

koppel055さんのお陰でしょうか?
この本名で登録の方は餌付け写真をやめられたみたいですね。
あくまでも『撮らせてもらっている』という気持ちを忘れてはいけないと思います。
Commented by koppel055 at 2012-07-28 22:15
仕事がバタバタしていて返信が遅くなりました。

なおなおさん>
コメントありがとうございます。
書き込んでから、なんとなく気持ちが重くなってしまってちょっと嫌な気分になっていました。
こういうことは、1人だけ声を上げてもダメなので、賛成してくださる方がいると心強いです。

『写真家たちの日本紀行』、エゾリス編を見逃してしまって残念に思っていたのですが、
そんなこと言っていたのですか・・・あれほど有名な人なのに。呆れてしまいます。
キタキツネ編は、ながら見でしたが結構おもしろかったのですけど。

私が十勝でよく撮影に行っていた某所も、冬に大量のヒマワリの種の入った袋が置か
れていたことがあり、どうしようもない気持ちになったことがあります。エゾリスを追っ
払っても大量の種ですから食べに来ました。

いつも手持ちなので手ぶれ写真量産してますが、私はそれでいいかな、と思ってます。
Commented by koppel055 at 2012-07-28 22:16
Noshiraさん>
ありがとうございます。

その方は餌付け写真をやめるとメッセージをいただきました。
詳しくは、ブログで記事として書きます。

写真のマナーは、野生動物に限らず、いろんなジャンルで言われていますね。
初心を忘れずに写真を撮り続けたいです。
Commented by yah-_-yah at 2013-02-17 08:00
koppelさん、初めまして。

「エゾリス 撮影ポイント」で検索してこちらに辿り着きました。
最近、色んな方のブログでエゾリスの超アップの写真を見ます。
しかもエサをほおばってる姿の。
その全ては山ではなく、公園で撮影されたものです。
僕は公園のエゾリスを見たことがないんですが、そういう理由(餌付け)があったのですね。

僕もkoppelさんの考え方には全面的に賛成です。
野生動物や自然風景の写真にやらせはやってはいけないと思います。
餌付け写真もそうですけど、私有地や立ち入り禁止の場所にズカズカと入っていって撮影するカメラマンが多いことにも辟易しますねぇ・・・。
Commented by koppel055 at 2013-02-17 23:47
yah-_-yahさん、はじめまして。
ご訪問ありがとうございます。

自分が常日頃思っていることも、ほんとに正しいのかどうかわからない
のですが、いろいろな方とこうやって交流できることで自分の気持ちが
固まってくるように思います。


私がエゾリス撮影を始めた10年前は、デジタル一眼の普及率も低かった
のでアマチュアカメラマンの数も少なかったように思います。

ただ、こんな便利なものですから、あっという間にカメラマンの数が増えました。
浦臼神社なんかは、今はカメラマンが多すぎて行けません。

こうした撮影をきっかけに、自然を好きになったり、大切にしようという気
持ちが生まれればいいのですが、なんかそういう方向には行ってない
気がします。

冬場は、餌付けをしなくても公園にやってくるエゾリスはけっこういると
思いますよ。私も円山公園ではなくて別の公園に行くことがあります。
そこで餌付けしている人もいるようですが、私が撮っている場所は
自然の食べ物を生き生きと食べているエゾリスが見られるのでありが
たいです。

Commented by ななし at 2016-07-10 17:22 x
どう撮ろうと自由じゃないの?危害を加えてる訳ではないのだから。てか、自分も写真を撮ってるじゃん?写真もまったく動物に負担がかからないわけではないし。偽善者ぶるなら写真撮るのやめたら?
魚つりの人にも注意したら?
自分の考えを他人に押し付けるのはやめましょう。
「自分の常識は他人の日常識」て言葉知ってる?
Commented by koppel055 at 2016-07-10 23:32
「ななし」さんへ>
なんだか、ほんとに書き込みを見て哀しくなりました。
あなたは自分のことだけしか考えていないんですね。

この十数年、デジタル一眼レフの普及とともに、野生動物を撮影する人が爆発的に増えました。私は最初嬉しくてブログを作っていましたが、次第に考えこむようになりました。

本来、私は自然のすばらしさを多くの人が目にすることで、トゲトゲしい日常を少し忘れ、自然から力をもらって自然の力を再認識してもらえればいいなあ、なんて思っていました。

でも、写真を撮る人が増えると、モラルのない人が増える増える。ストロボを平気で使う。大声で動物を呼ぶ。「撮らせてもらっている」という意識が欠如しているからでしょう。

餌付けがいけないというのは、人間と動物の関係性を変化させ、取り返しがつかないことになるからです。野生動物はペットではありません。ペットはエサだけでなく最期まで人間が面倒を見ることで強い関係ができます。野生動物への餌付けは、人間が都合の良い時だけエサをやって人間に近づけさせる。でも、動物は人間の都合などわかってくれません。だからエゾリスに引っかかれた、なんて人が出てくるわけです。また、樹上生活者のエゾリスが

餌付けしないで写真を撮ることがそんなにイヤなんですかね?あなたが写真を撮る人かどうかは、書き込みだけではわかりませんが、私からすると簡単なことをなぜイヤがるのか不思議です。

「価値観の押しつけ」という言葉が出てくるのは、「おまえの言うことは私にとっては正しくない」か「気に入らない」という意味でしょう。

あなたの書き込みこそ自分のことしか考えていない”非常識”な発言としか言いようがありません。残念ですね。

Commented by とらや at 2016-11-20 23:15 x
全く持って同感です。
Commented by りす好き at 2016-11-24 22:24 x
全面的に同感ですが、
価値、という言葉の使われ方が暴力的に感じました。
木上のりすを撮影することこそが自然であり、
自然そのままこそが有価値である、と読めましたが
これは不自然を愛する人、自分の価値と合わぬ者は
排除しても構わない、ともとれます。
そのくらい、攻撃性を感じる文にみえます。
自然保護という大正義に護られた一方的主張には
他者の意見を前提とする柔軟性や寛容さを感じません。
これでは、いらぬ反発を生んでしまいそうで残念です。
この文を読み、私はりすへ餌を与えたくなってしまいましたから。
Commented by koppel055 at 2016-12-05 21:39
>とらやさん
ありがとうございます。

>りす好きさん
丁寧なレスありがとうございます。
正直言って、感情的になっていましたね。
その場の感情でもあっても、書き込みはずっと残りますから、おっしゃるような受け取り方をされても仕方ないかもしれません。

ほんとうは、自然の状態、あるいは自然の状態に近いリスの魅力をたとえば、そういう趣旨に賛同される方同士が集まってどこかで写真展を開くとか、そんなことができればいいなあ、と思っています。それが餌付けの多い場所とかで開ければ一番いいかもしれません。

「こんなことやっちゃダメだ」と声高に叫ぶのではなく、「こんな素敵な世界が撮れる」とか、「こんな生態が見られるから素敵なんだよ」と伝えることが大事なんだろうと思います。

いろいろ考えさせていただき、ありがとうございました。
by koppel055 | 2012-07-22 23:37 | エゾリス | Trackback | Comments(12)